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物忘れが激しく物覚えが悪い、三十路の備忘録

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ドラゴンボール大好き

2012.12.14 (Fri)
 来年公開されるドラゴンボールの新作映画が話題だ。
 僕はいまだに少年ジャンプを買い続けている生粋のジャンプっこで、ドラゴンボールに骨の髄までドップリ浸かった世代である。今回の映画についても出来不出来に関わらずもうドラゴンボールというだけでハチャメチャが押し寄せてしまう。恐竜がいたら玉乗り仕込んじゃうのである。

 連載終了から実に17年が経過するドラゴンボールだが、いまもって東映アニメーションおよび集英社のドル箱コンテンツとして鎮座ましましている脅威のヒット作だ。2003年ごろから毎年のようにリリースされるビデオゲーム、カードゲーム、フィギュア。最近はリメイク版のアニメも放映されるなど、僕らのような懐古世代はおろか現代の子どもたちにも大人気である。

 単独作品でこれほど息の長いコンテンツは他に類を見ない。
 ルパン三世やガンダムなんかは定期的に新シリーズが作られているので、ひとつのコンテンツというよりはもはやジャンルだ。ドラゴンボール連載終了の頃に登場したエヴァンゲリオンも長らく愛されているが、一時の社会現象を通過し、今では局地的なファン層の成熟へ向かっている。ちびっ子はエヴァンゲリオンには夢中にならない。たぶん。逆にポケモンはいつまでたってもちびっ子のものだし、やはり多数のシリーズが連なるジャンルと捉えられる。また、国民的と形容されるドラえもんやサザエさん(あるいはクレヨンしんちゃんやちびまる子ちゃん)は、日常を繰り返し描写して半永久的にアップデートされていく性質のものであって、明確にエンドマークが打たれているドラゴンボールとは楽しまれ方が違う。
 真の意味で世代を超えて楽しまれているひとつのマンガ、ドラゴンボールは、極めて特異な存在なのだ!

 なぜドラゴンボールはこれほどの人気作になり得たのか。
 まず思いつくのはキャラクターだ。孫悟空の存在感。これはもう筆舌に尽くしがたい。「悪いやつは許さねえ!」「オラもっと強くなりてえ!」。善悪に葛藤することも暗い過去に悩むこともなく、ひたすら朗らかに、どんどん強くなり悪者をぶっ飛ばしていく悟空は、決して読者の深い共感は呼ばない。が、憧れのヒーローとして圧倒的な輝きを放っている。ほぼ一貫して悩まないし凹まないし後悔しない。悟空は思想も強さも常人離れしていて自分を投影する余地がない分、いつまでも僕らのヒーローでいてくれるのだ。
 こんなキャラクター他にいますか? あのルフィでさえ、エースの死には気を失うほどの傷心状態に陥った。里の仲間から迫害されていた過去を背負っていたり、「仲間がいるよ!」と涙を流したり、ましてや「逃げちゃだめだ!」と葛藤したりしちゃったら、悟空は僕らの隣に降りてきて、重なり、やがて通り過ぎていってしまうだろう。

 近年はマンガの読者層の広がりに伴って、練り込まれたストーリーや緻密な設定、破綻のない合理性が求められるようになっている。作品内の矛盾や粗は熱心な読者から即座に指摘されてしまう。ドラゴンボールがドラゴンボールでなかったなら、袋叩きにあっていたかもしれない。
 たしかにドラゴンボールには、上記のような細やかさや深みはない。と思う。戦闘力の極端なインフレーションとか、安易な生き死にの繰り返しは批判の対象にもなっている。しかしそれらが作品のつまらなさにならないのは、演出とテンションが勝利しているからではないか。
 誤解を恐れずに言えばドラゴンボールは、強い敵を倒す→より強い敵が現れ、また倒す…というワンパターンなストーリーである。通常であれば強さのマンガ的表現はどんどん限定され、袋小路に迷い込んだ末に作品がダレて面白さを失っていく。実はドランボールとて例外ではなく、魔人ブウ編の連載当時などは僕らも「まだやってんのかよ…」と随分否定的に見ていたものである。それでもいまだバトルマンガの最高峰として認知されているのは局面での盛り上げ方がとても上手だったからだ。

 クリリンの死から始まるピッコロ大魔王との対決は、シリアスな巨悪との決死戦にそれまでと違う興奮があった。後の方向性を決定づけたサイヤ人との戦いでは、その恐怖と緊迫感に手に汗を握った(ヤムチャがやられたときだって当時はショックだったんだ!)。まったく勝ち目の見えないフリーザを前に超サイヤ人へと変貌した悟空の衝撃は、学校中の話題をさらった。次々と増えていく人造人間の謎に、次の週が待ちきれなかった。
 特に、鳥山明もねらっていたという「ためてためて、悟空を出す」という演出の効果は絶大だ。サイヤ人編から人造人間編で度々見られるが、わかっていても「とうとう悟空が来た! 早く次が読みたい!」と思わされてしまう。ピッコロやベジータが「どうせやられるんだろ」とわかっていても、そんな強敵と対峙する悟空を楽しみにしてしまう。

 これこそ悟空のヒーロー性のなせる業だ。強い敵をより強い悟空が倒すというシンプルな展開に裏切りはない。だけど、圧倒的ヒーロー・悟空の戦いが、印象的なセリフや界王拳、元気玉、超サイヤ人等の演出に彩られることによって、最高のテンションで読者を引き込む。どうしようもなくワクワクが100倍になっちゃうのである。

 はっきり言って、ドラゴンボールでストーリーに唸らされたことなんてない。緻密な戦術や駆け引きに感心したこともない。登場人物の心情を推察したり、小難しい考察や解釈をする必要もない。それでも何回も読み返すのは、ただ単純に悟空たちの活躍が見たいからだ。このぶっちぎりのワクワクだけが、世代も国境も越えるのだ。

 面白いマンガは他にもいくらだってある。だけど、こんなにも頭カラッポにして夢詰め込めるマンガは、他にないなあ。

やっぱり僕にとって悟空は、純度100%の、永遠のヒーローだ!
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