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物忘れが激しく物覚えが悪い、三十路の備忘録

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『cowa!』

2013.02.13 (Wed)
『カジカ』に続いて『cowa!』(鳥山明)の話。
『cowa!』はカジカの1年前、1997年の連載作品だが、こちらのほうが圧倒的に面白く、新鮮さに満ちている。

オバケと人間がのほほんと一緒に暮らす’岬’は、鳥山氏本人が語るように『Dr.スランプ』のペンギン村に近い。主人公パイフーをはじめとした登場人物も’よいこ’ばかりで、鳥山明の本質であるシュールでイノセントな世界が描かれている。

本格的にmacを導入したという作画は、太く丸みを帯びた線とペイントによる表現が目立ち、『ドラゴンボール』後期のドライで角張った絵に比べるとガラリと印象が変わっている。鳥山氏も「絵本のような作品が描きたかった」とコメントしており、一言でいうとかわいらしい雰囲気だ。

また、もともとコミックス1巻分の短期連載と決めていたらしく、ストーリーもスッキリまとまっている。素直で優しくてちょっとイタズラ好きなオバケの子どもたちと、粗野で乱暴だけど心優しいオジサンのやりとりは、フフと笑ってしまうようなおかしみがある。こういう気恥ずかしいくらいのくだらなさ、バカバカしさを正面切って描けるのは、鳥山明ならではだ。
それでいて物語の最後は、およそ鳥山らしくない、割とベタな良い話でまとめられており、かわいらしい画風と相まってほんのりと心を温めてくれる。過剰な演出もなく、独特な読後感がある。

今の週間連載ではなかなか人気を得難い作風だとは思うが、こういった少年向けおとぎ話を描ける鳥山明のセンスはやはり貴重。老若男女、万人におすすめできるマンガである。

『ドラゴンボール』で良くも悪くもがんじがらめにされた鳥山明が、本当に描きたいように描いた楽しさが伝わってくる佳作だ。
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