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物忘れが激しく物覚えが悪い、三十路の備忘録

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『SANDLAND』

2013.02.14 (Thu)
『SANDLAND』は2000年に連載された鳥山明のマンガ。
これは個人的には名作とか傑作とかいうより、力作であるといいたい。

本作は『cowa!』『カジカ』に続く短期連載モノで、悪魔の王子である’ベルゼブブ’が初老の保安官’ラオ’と一緒に幻の泉を求めて旅に出るストーリー。
ちょっと不思議な少年が人間と一緒に何かを探して大冒険、という基本フォーマットはすっかりおなじみだ。

『SANDLAND』を、鳥山作品にはあまり似つかわしくない(?)力作と称したいのは、ストーリーよりも作画の面で文字通り力が入っていると感じるからである。

この作品が生まれたのは「戦車と老人を描きたい」との動機からだそうで、ラオと戦車等のメカニックが大活躍する。ミリタリー模型マニアである著者の趣味性が思う存分反映されていて、ジャンプ連載の少年マンガとしては、かなり異色だ。どことなく宮崎駿でいうところの『紅の豚』に通ずる趣があるかもしれない。
しかしそこはデザインセンスに定評のある鳥山明。かっこいい戦車と老人を眺めているだけで十分に魅力的である。おまけに最後はお得意の超人バトルも楽しめるし、ちょっととぼけた悪役の’スイマーズ’も良い味付けになっている。
この時期はまだmacによる描線ではなく、ペンで描かれた線を取り込んでいるからか、線に力強さがあって個人的にはそれも好みだ。

見ているだけで楽しいのは鳥山マンガの大きな特徴だが、好きなものを好きなように描いているだけあって、本作は特に絵が優れているように思う。
近年は奥深いストーリーや緻密な設定、練り込まれた構成などが語られる作品も多いけれど、やはり絵の力も相当に重要なのだと再確認できる。小説や映画にはない、マンガならではの表現だ。この点で鳥山マンガはレベルが高いゆえに、何度も読み返したくなる魅力があるのだろう。

マンガ家・鳥山明が描きたくて描いたこの力作を、是非たくさんの人に楽しんでもらいたい。
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