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物忘れが激しく物覚えが悪い、三十路の備忘録

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『レナードの朝』

2013.03.27 (Wed)
引き続きHulu無料期間につき視聴。
昔友達がよかったと言っていた『レナードの朝』(1990年)を観ました。

これは真実の物語である——とアメリカンな雰囲気で始まる、実話を基にした映画。
嗜眠性脳炎の患者たちが、パーキンソン病向けの新薬によって一時的に奇跡の回復を見せたという事実を下敷きにしていますが、映画らしく人間ドラマやメッセージも多分に味付けされています。

嗜眠性脳炎というのは、ごくごく簡単に言うと、まったく体が動かなくなり意識も感情もなくなって「魂がなくなった」ような状態になってしまう原因不明の病だそうです。
セイヤー医師(ロビン・ウィリアムス)はそんな状態の患者を前に途方に暮れてしまうのですが、あるとき患者の一人であるレナード(ロバート・デニーロ)に「L・ドーパ」という新薬を投与したところ、驚異的な回復を目にします。そして他の患者たちにも同様の処置をして、次々に目覚めさせていく。

レナードが病を発症してから目覚めるまで、実に30年。当人はその間の意識も記憶もないわけで、いわば浦島太郎状態です。うーん、知らぬ間に30歳も歳をとってしまった自分とか、途方もない青春の時間を失ってしまった喪失感とはいかほどでしょうか。しかし、だからこそ「生を取り戻した」ことがレナードには尊く感じられるんですね。

レナードは、みんなの生き方は間違っている、もっと生きていることを喜ぶべきだというようなことを主張します。生をことさら噛み締めている自分からしたら、のんべんだらりと生きている(ように見える)周囲にギャップを感じるのもむべなるかな。セイヤーにいたっては、人付き合いが苦手で恋愛にも前向きになれないようなしみったれですからね。一方のレナードは好きな人もできて、30年遅れの青春を謳歌し始めます。

ところが。
嗜眠性脳炎が突如再発。やがてレナードを含めたすべての患者が、まるでそれまでが夢だったかのように、もとの「魂がなくなった」状態に戻ってしまいます。これが事実なのですからとても悲しい結末ですが、ほんのひとときの奇跡だったからこそ、レナードの人生観や生へのポジティブさが鮮烈な余韻を残すんですね。


正直言って、死や病と向き合う人の姿から生きる意味を考えるというテーマ自体は、ありふれていると思います。なのでこの映画だけ特別に感激するようなこともありませんでした。
あえていうなら、ロバート・デニーロの熱演には心動かされるものがあります。ストーリーうんぬんよりも、与えられたわずかな時間に見せたレナードの一挙手一投足が、本作の訴えたいことのすべてのような気がしました。


何十年も動けなかった人たちが急に歩いたり走ったりすることとか、病状が悪化するレナードへの投薬量がかなりアバウトに増やされていくところとか、ちょいちょい「??」となる部分もありましたが、悲しくも清々しい良質なドラマです。
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