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物忘れが激しく物覚えが悪い、三十路の備忘録

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女性作家の少年漫画

2013.05.21 (Tue)
女性が描く少年漫画もずいぶん増えた。少年ジャンプにも女性の人気作家は多い。
他誌では『3月のライオン』や『おおきく振りかぶって』が男女問わず大人気で、僕も読んだことがある。

こうした女性による少年漫画を読んでいると、やはり男性が描くものとは少し読み味が違うなあと感じることがある。概して、心の内部や変化を丹念に描こうとする傾向がある。
少女漫画といえば恋愛ものが多く、心の動きはそれらの醍醐味だが、媒体が少年向けになろうと、題材が何になろうと、やはりその醍醐味は変わらないのだ。

『3月のライオン』では主人公からしてやたら複雑な過去を持ち、とにもかくにも苦悩が描かれる。義理の姉も異様に屈折しているし、朗らかなキャラクターだった少女もいじめ問題に首を突っ込んだ末にモーレツに心を痛めてしまう。彼女がぐしゃぐしゃに泣きながら「私は間違ってない!!」と吐露するあたりのストレートさが、個人的にはやはり女性作家らしいと感じるところだ。

『おおきく振りかぶって』は高校野球を題材にした爽やか青春漫画だが、一部の登場人物の心理や振る舞いに「おや?」とひっかかることがある。
たとえば桐青のコーチ。大学生ということだが、あのなんともいえないダークさときたらどうだ。負けて帰ってきた弟をドアに叩き付けて「負け犬」連呼。キャッチャーにレギュラーを保証する代わりにラフプレーを指示して脅してみたり。スタンドからの禁止行為を怪しむ後輩に「うっぜえなコイツ…」とか思っちゃったり。もう気持ち悪いほどだが、どうもこれも高校野球での敗北と喪失感からくる心情らしい…。
それに比べて、逆の意味でそりゃねえだろと言われそうなほどイノセントな西浦の面々。こっちはこっちで女子の好きな男子っぽすぎて、ちょっと”男子”に対するイメージが僕とはずれているようだ。(きっと女性は、男性作家が描く女子に違和感を感じていることと思うが。)

対して男性作家はというと、心情の描き方はもっとシンプルだ。
あだち充なんかはスポーツ青春ドラマの名手だけれども、「間」や「空気」が誌面を支配しており、あえて多くを語らない。
『スラムダンク』も登場人物それぞれいろんなドラマを楽しませてくれたが、悩みや憎しみの比重は少なく全体的にカラリとしている。それでいて最後の試合、「湘北は負けんぞ!」という赤城や小暮にはすごく感情移入できる。

要するに僕の経験上、女性作家が描く少年漫画は心情描写がよりドロドロしていて、逐一、絵やセリフに表現されすぎな気がするのだ。
モノローグも非常に多いし、ときにそれはポエムだ。
これは濃厚とか緻密というより、執拗な、といったほうが僕にはしっくりくる。


誤解のないように言っておくと『おおきく振りかぶって』も『3月のライオン』も面白い。
だけど少年ジャンプばかり読んできた僕にとっては、この女性らしさが少しもどかしい。そういう意味で『銀の匙』『鋼の錬金術師』の作家さんは女性らしくない表現でさっくり読めた気がする。
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