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物忘れが激しく物覚えが悪い、三十路の備忘録

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森見登美彦『ペンギン・ハイウェイ』

2013.06.10 (Mon)
森見登美彦の『ペンギン・ハイウェイ』を読んだ。
この人の作品は他にもいくつか読んだが、本作はライトな村上春樹、という印象をもった。

物語はやけに賢い小学4年生アオヤマ君の一人称で語られる。
ある日、近所の空き地に、いるはずのないペンギンが大量に現れるところからストーリーは始まる。この現実とも夢ともつかない摩訶不思議な展開は、村上春樹にもよくある。
そして非現実的な探検と、現実的な学校生活の行き来。非現実的な世界を介した「お姉さん」とアオヤマ君の結びつき。「海辺のカフェ」なる喫茶店。散りばめられた謎がひとつに収束していって、最後に残る喪失感。
やっぱり村上作品へのオマージュなんでしょうかね。

比較するのもあれだけど、村上春樹の作品よりもこちらのほうがエロ・グロ的な部分がない分、スッキリと読めた。主人公の少年少女しかり、ペンギンしかり、かわいらしい寓話といった趣がある。

森見登美彦の描く登場人物は、どこかおかしみがあって魅力的に感じる。
村上作品だったら「スカした気障なやつ」になりそうな主人公だが(またまた引き合いに出して申し訳ない)、アオヤマ君にはふとした可愛らしさや素直さがあって微笑ましい。
「お姉さん」もすごくいい。森見登美彦が僕と年代が近いせいかなあ。漫画やゲームで育った世代が共感しやすいような女性像なんだよね。重苦しさがないというか。よくわかんないけど。

全体的にライトで読みやすい雰囲気。それでいて生命や死生観を考えるようなところもあって、読み応えもある。
僕としては、常に客観的で記録することにこだわるアオヤマ君が、メモしきれない「感触」や「感覚」を戸惑いつつも受け入れていくあたりに、著者の実感が込められているようで面白かった。
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